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    争議解決で労使が協定/日本コンベヤ争議/出向者にユシ協定適用へ

     大型ベルトコンベヤー製造の日本コンベヤで6月17日、長く続いた労働争議が解決した。労使が同日交わした争議解決協定では、救済を命じた大阪府労働委員会命令(2019年4月)の完全履行をはじめ、持ち株会社からの出向者をユニオンショップ協定(就労と同時に組合員となる協定)の適用対象とするなど、組合側全面勝利の内容だ。

     17日、大阪府内の事業所で、同社の梶原浩規社長、労組の荒内康彦委員長、JAM本部の安河内賢弘会長が出席し、不当労働行為に対する謝罪文の手交、解決協定の締結を行った。

     同社は13年にTCS(東京コンピュータサービス)グループの傘下に組み込まれた。15年に同社は一時金の大幅減額を提案し、翌16年には労働協約の解約を通知した。

     16年の申し立てから3年を経て、大阪府労委は19年4月、同社に救済を命じた。その判断内容は(1)労働協約は全て有効(2)組合役員への一時金差額支給は不当(3)新規採用を持ち株会社で行い日本コンベヤに出向させたことは支配介入(4)再発防止の誓約書の手交――など、組合側勝利命令だった。

     中労委では、今年1月に結審。会社側は和解案を示したが、組合側は受け入れず、同社は4月、再審査の申し立てを取り下げ、府労委命令が確定した。

     労使のせめぎ合いとなったのが、持ち株会社からの出向者をユニオンショップ協定の適用対象にすることだった。同社では持ち株会社で採用した新入社員を「出向者」として受け入れることで、組合への新規加入を妨げてきた。府労委命令はこれを支配介入と断じたが、改善策までは示していなかった。

     解決協定では、出向者もユシ協定の適用対象とすることで合意。組合に加入しない人や脱退者の扱いについては労使で協議することで決着した。

     

    ●背景資本との闘い

     

     争議開始から5年余り。新たに管理職となった人や、会社に嫌気が差して転職した人もいる。新規加入がせき止められる中、組合員は減り、出向者数を下回った。

     TCSグループが経営の実権を握って以降、組合を敵視する行為が繰り返され、そのたびに組合は、職場集会、団体交渉、ストライキなどの争議行動、労働委員会闘争、損害賠償請求訴訟など、粘り強い取り組みを展開した。グループ経営者の代替わり、新社長の就任、組合側勝利の府労委命令以降、職場はようやく落ち着きを見せ始めたという。職場では出向者に対する組合加入確認の取り組みが行われ、既に多くの賛同を得ている。

     組合つぶしで知られる背景資本を向こうに回した争議だった。JAM大阪の清水隆生副書記長は「組合員の結束と団結、周りの組合による支援、産別全体で支えた成果だ」と話す。組合事務所の貸与や掲示板も復活を約束させた。今後、労働組合の意義と役割を伝える教宣活動を職場で強め、正常な労使関係への一歩を踏み出す。

     

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    コメント: 1
    • #1

      原 正已 (金曜日, 03 7月 2020 19:46)

      当該単組には、JAM大阪、JAM本部と一体となり、油断せず、組織を強化し、良好な労使関係を確立するよう頑張ってくださいと、言いたい。