連合の神津里季生会長は6月18日の定例会見で、近く審議が始まる2020年度の地域別最低賃金改定について見解を問われ、近年の3%引き上げを「曲げる必要はない」と語った。新型コロナウイルス感染拡大を理由に中小企業団体が「引き上げ凍結」を訴え、首相も慎重な姿勢をほのめかしたことを念頭に、「ウイルスとの闘いに白旗を揚げるようなものだ」と再考を促した。
神津会長は「最賃の引き上げは経済の好循環実現を目指すパッケージの政策だった。なぜそれを止めるような消極的発言が政府から出るのか。凍結なんてことをすればまたデフレに舞い戻る。コロナウイルスとの闘いに自ら白旗を揚げるようなものだ。3%を曲げる必要はない」と語った。
最大時給差223円に上る地域間格差については、圧縮に向けて本格的に取り組まなければならないと指摘。その上で「これまで地方創生と言われてきたが、都市部と地方の格差是正が本当にやれていたのか。これはある種、コロナがもたらした問題提起だろう。地方経済が元気を取り戻すことが必要。テレワークで、都市部にいなければ仕事ができないということは一部ではなくなっている。格差圧縮へどうするか、しっかり議論を行い、あるべき結論を得ていきたい」と述べた。
〈写真〉新型コロナ感染拡大以降、4カ月ぶりとなる、記者を集めての連合会見。大会議室で行われた(6月18日、都内)
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