労組や市民、法律家など全国69団体による実行委員会が行った「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守る なんでも電話相談会」(6月6日)には1217件もの相談が寄せられた。4月に行った相談と比べ、内容は一層深刻さを増し、雇い止めなど労働問題の比重が高まっているという。同実行委は17日、生活保護を使いやすくすることなどを国に要請した。
「労働相談が大幅に増えたのが特徴だ」という。集計表には、4月以降雇い止めにあった派遣労働者からの相談や、収入が減った、解雇を言い渡された、家賃が払えない、生活ができないなどの相談が並ぶ。休業補償されないという声も依然多い。
70代以上の高齢者からの相談割合も増えた。年金収入では生活をまかなえず、細々と続けていたパートなどの仕事がなくなり、困窮状態に陥る人の悲痛な声が寄せられている。
分かっている範囲では、相談者の約8割が月収20万円以下。70歳以上が4分の1を占める。生活力の弱い層を新型コロナが直撃している形だ。
経済の冷え込みや第2波の到来を考えれば、国の一律10万円給付では不十分。同実行委は「継続的に使える制度が必要。生活保護をためらわずに使えるよう、今こそ国は積極的に広報すべきだ」と語る。一層の要件緩和をはじめ、国のトップが活用を訴えることで、「生活保護は恥」という意識の払拭(ふっしょく)を図ることが必要だと訴える。
国への要請では、安易な解雇・雇い止めを許さない指導強化や、失業給付の「大胆な緩和」、生活支援に携わる地方行政の人員増などを求めている。
〈写真〉リーマンショック時と比べ、あらゆる職種、年齢層に影響が及び、非正規、高齢者の困窮が際立っていると報告された(6月17日、都内)
〈表〉なんでも相談に寄せられた深刻な事例
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