ヨガ教室のスタジオ・ヨギーの講師で作るyoggyインストラクターユニオンは、同ユニオンの労組役員が受け持ちクラスをなくされたのは不当労働行為だとして、東京都労働委員会に申し立てる考えだ。ユニオンが6月12日、都内で会見を開き明らかにした。
業界大手のヨギーは全国に23店舗を展開する。有名投資家の谷家衛氏が会長を務め、女性タレントが利用することでも知られる。講師は約300人。大半が業務委託契約を結んでいるが、接客やスタジオ入りの時間など詳細なマニュアルに沿って働いているという。一般の労働者と同じ働き方なのではないか、と疑問を持った講師らが昨年4月、ユニオンを結成。会社主催の有料講習と認定資格の義務付けの撤回などを求め、交渉してきた。
新型コロナウイルスの影響で4月初旬から営業が自粛されたため、ユニオンは休業補償を要求。会社は応じないまま6月に営業を再開した。クラスは従来の5割程度に削減され、ユニオンの役員4人は全てのクラスを失ったという。
講師を15年勤めてきた委員長の女性は、クラス削減が事実上の契約解約であり違法だと批判。組合嫌悪の不当労働行為として7月以降、労働委員会に救済を申し立てると語った。「クラスは週4回で月収は8万円程度だったが、子どもが2人いる共働きの私にとって貴重な収入」と訴えた。その上で「ヨガやフィットネスは委託が多い業界。働き方の実態に照らし、労基法などの法律にかなった仕組みを整えてほしい」と述べた。
川上資人弁護士は「実態は労働契約なのに業務委託にすることで会社が負うべき義務を逃れている。クラスゼロは解雇と同義。契約を適正化すべき」と指摘した。
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