国の行政機関などで働く労働者が1人でも入れる国公一般(国公労連加盟)は5月8日、国立ハンセン病資料館で働く組合員2人の解雇について、運営を受託してきた日本財団と笹川保健財団による組合敵視の不当労働行為だとして、東京都労働委員会に救済を申し立てた。
解雇されたのは、勤続18年の稲葉上道さんと3年半の大久保菜央さん。2人は専門職の学芸員だ。
申し立て書によると、稲葉さんらは昨年9月、国公一般の分会を結成した。資料館管理職によるハラスメントがきっかけだった。分会はハラスメントへの対処を、当時運営を受託していた日本財団に要求したが、一顧だにされなかった。その後、日本財団の関連組織である笹川保健財団が20年4月から運営を受託することが決まり、3月には職員全員をいったん解雇した上で採用試験を実施。稲葉さんら組合員2人だけが不採用になったという。
国公一般は「両財団は職場環境の改善を求める組合を敵視・嫌悪し、組合を弱体化させる目的で2人を不採用にして、資料館から排除したことは明らかだ」と指摘。組合員であることを理由とした不利益扱いだけでなく、組合弱体化を狙った支配介入行為に当たると訴えている。
●人権啓発の館なのに…
資料館は「ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発により、偏見や差別を解消」することなどを目的としている。国公一般は「そうした人権啓発の館において、組合員差別ともいえる露骨な排除は、館の目的に照らして極めて不当」と指摘。人権啓発の役割にふさわしい資料館とするためにも、2人の解雇撤回と職場復帰の取り組みに支援を呼び掛けている。
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杉之原かおり (水曜日, 24 6月 2020 19:38)
明らかな不当労働行為です!!
館は誠意を持って組合との団体交渉に応じなければなりません。
小川幸四郎 (金曜日, 26 6月 2020 21:47)
諦めないで闘い続けましょう。
牧子嘉丸 (金曜日, 20 11月 2020 12:24)
応援しています。