「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    25人で労組支部結成!/なのはなユニオン/雇用継続求める

     葬儀やパーティーなどの仕出し料理を調理、配送する会社で働く正社員とパート、契約社員25人が5月18日、労働組合を結成した。同日、会社に団体交渉も申し入れた。

     組合は、千葉県を中心に活動するなのはなユニオン(全国ユニオン加盟)のの支部。同ユニオンの鴨桃代委員長は「6月初めには収入が途絶える組合員も多い。早く会社と話し合わなければ」と語る。

     

    ●「おかしい」と相談

     

     組合員が働く営業所では、正社員は約1割でほとんど非正規社員だという。勤続10年を超えるパート労働者が多く、中には30年近く働いてきた超ベテランもいる。

     新型コロナウイルスの感染拡大でパーティーなどが相次いで中止、自粛となり、会社は4月27日に従業員を集めて、5月16日から休業に入ることを通告。その際、「再開のめどは未定」とし、正社員の休業補償は平均賃金の6割、パートや契約社員については「未定」とした。パート労働者らは収入が途切れるのを避けるため、年次有給休暇を申請し、急場をしのいでいるという。

     こうした対応に対し「おかしい」と声を上げたのは、勤続約2年の正社員2人だった。知り合いを通じて、なのはなユニオンにつながった。

     

    ●営業所の存続を

     

     5月14日には、会社が正社員だけを集めて「営業所を閉鎖する。正社員は異動。パートなどは退職してもらう」と通告。パートや契約社員には4月27日以降、なんの説明もなかった。納得できる説明と雇用継続を求めて、組合を結成することになった。

     組合員の要求は「営業所を存続してほしい。そこで働き続けたい」。正社員についても、異動先の調理場は通勤に2時間半近くもかかる。仕出し料理を調理する関係で、朝5時までに出社を求められることがあり、通うのは困難だという。

     パート労働者は現在も、有給休暇を取得中。会社は休業補償をしておらず、収入確保も緊急を要する課題だ。

     鴨委員長は、団体交渉で(1)営業所閉鎖が避けられないほどの経営状況なのかについての情報開示(2)パートなどの解雇回避努力(3)解雇対象者との十分な協議――を会社に求めていくと話している。