安倍政権による改憲に反対する実行委員会主催の憲法集会が5月3日、国会正門前で開かれ、インターネットでも中継された。新型コロナウイルス感染拡大のどさくさに紛れて、自民党が憲法審査会を開こうとしていることを「不要不急の火事場泥棒だ」と批判した。
集会を共催した総がかり行動実行委員会の高田健氏は「新型コロナに対応しなければならない今、憲法審査会などを動かしている場合ではない。何の正当性もない暴挙だ」と指摘した。政府が緊急事態宣言で外出自粛や休業を要請し、国民の中で同調圧力が強まっていることに懸念を表明。「こうした圧力に負けず、物言わぬ市民になることを拒否する」と述べた。
浅倉むつ子早稲田大学名誉教授は、政府の新型コロナ対策が不十分で多くの人が不安を抱えているとし「最も弱い立場の人々が、尊厳を持って安全に生きられる社会こそ目指すべきだ」と訴えた。
国際基督教大学平和研究所顧問の稲正樹氏は、新型コロナ下での休業補償の必要性を力説。憲法の29条(財産権)と28条(労働基本権)、25条(生存権)を根拠に十分な補償を求めようと呼び掛けた。
総がかり行動実行委の小田川義和氏(全労連議長)は「9条改憲を断念させるまで取り組みをやめない」と強調し、安倍政権に退陣を迫った。
〈写真〉国会正門前で開かれた憲法集会(5月3日)
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