生協労連は生協の配送に携わる委託先会社の労働者の職務評価調査を昨年10月から今年2月にかけて行った。その結果を踏まえ、職務に見合う賃金に引き上げるよう訴えている。配送業務の生協職員と委託労働者を比べると、職務評価点は委託の方が高いのに年収は7割にとどまる。このほど記者会見を開き、発表した。
発注元の労働組合が委託先労働者の処遇改善を求める取り組みだ。生協労連は配送事業の約5割を担う委託先・子会社の労働者の労働条件改善にむけて昨年、委託部会準備会を立ち上げた。委託労働者の実態を知らせ、生協関連産業内の「同一価値労働同一賃金」を目指している。
●評価は高いが年収7割
生協労連は国際労働機関(ILO)や厚生労働省が推奨する「要素別点数法」を使って調査した。身体的負荷、知識・技能、責任、労働環境などから職務の価値を点数化し比較した。職務評価点の総計平均は、生協職員を100とすると、委託は103・4と上回る(表)。一方、年収は生協職員の7割程度で、職務評価に沿って是正するには年128万円超が必要だ。
●配送件数が多い委託
調査では委託先労働者の負担の大きさも明らかになった。
静岡の生協の委託先で働く森充司さん(委託部会準備会代表幹事)は「荷物の量は(生協職員に比べ)約1・5倍。その件数と量をこなすには休憩時間を削るしかない。収入が少なくダブルワークをしている同僚もいる」と話した。
同じく委託先の配送業務で10年以上働く田中基一さん(同準備会幹事)は「委託の厳しい現状を訴えるのはわがまま、他の人は耐えている(のだから自分も耐えなければならない)と自分を追い詰め、退職していく仲間を見てきた。ここまで(低賃金・過重労働に)我慢しなければいけないのか」と涙ながらに訴えた。
生協関連一般労組関東の土屋禎書記長は「委託全体の賃上げが必要だ。まずは実態を知ってほしい」と語った。
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