製造、流通、サービスなど内需関連の労組でつくるUAゼンセンは4月3日、3月末段階の妥結集計をまとめた。正社員では338組合、パート労働者で169組合が妥結し、ともに前年同期を上回っている。均等・均衡処遇、働き方改善の成果も出ている。
正社員の定期昇給相当分を含む妥結の単純平均額は6546円(2・41%)。前年と比較可能な329組合で昨年同期を408円上回っているという。300人未満の中小166組合は6278円(2・44%)。
賃金体系維持分が明確な161組合のベアなど賃上げ分は1862円(0・70%)。前年と比較可能な156組で367円(0・16ポイント)上回った。300人未満の63組合は1811円(0・77%)と連合の同時期の平均より高い。
パート労働者の時給引き上げ額の単純平均は30・3円(2・99%)。比較可能な159組合の平均で2・2円(0・19ポイント)上回るという。
妥結組合数は前年同期と比べ、出足が遅い。UAゼンセンは「新型コロナウイルス感染症が国民生活に大きな影響を及ぼす中、早期に交渉を終結した組合は前年並みかそれ以上の成果を得たものの、交渉が長引くほど厳しい交渉となる組合が多くなってきている」とコメントしている。
●一時金支給を要求
65歳への定年延長では段階的引き上げを含め、エディオンやカネ美食品など7組合が合意。取り組みを始めた2017年度以降、39組合が同様の制度整備を実現したという。
ひとり親の処遇改善では14組合が労使合意。「子ども手当を新設。子を扶養するパート、契約、定年後再雇用者に21年から6千円、22年1万2千円、23年1万8千円と順次支給開始」(島忠労組)、「契約社員に正社員同等の子女手当を支給」(全ヤオコー労組)などが報告されている。
一時金では、パート労働者について127組合が支給を要求。通勤手当で「正社員同様実費支給」(マルエツ労組)など35組合が改善を引き出した。
●つわり休暇導入も
働き方の改善では、24組合が勤務間インターバル規制の導入・改善を実現。ヤマダ電機など8組合で休息時間11時間で導入した。
実質賃上げとなる年間所定休日増要求では、「4日増」(東急百貨店グループ労組)など33組合が労使合意。営業日・時間の短縮でも4組合が実現した。
育児・介護の両立支援では31組合が前進回答を引き出し、「つわり休暇制度の導入」(コモディイイダ労組)、「看護休暇の取得を中学校就学前まで」(イオン銀行従組)などを紹介している。
そのほか、自然災害特別休暇や、職場のハラスメント対策、悪質クレーム対策など多岐にわたる。
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