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    「忖度検事を乱造する恐れ」/検察庁法改正案/法律家6団体が警鐘乱打

     新型コロナウイルス対応の陰で怪しい法案が国会に提出されている。検察庁法改正案。独立・公正であるべき検察庁の幹部人事に内閣が介入することを合法化するものだとして、法律家団体が警鐘を鳴らしている。社会文化法律センターの海渡雄一共同代表は「これでは検察官は政権の違法行為に踏み込めなくなる」と指摘。検察庁全体に政権への忖度(そんたく)をまん延させる恐れがあると強調している。

     改正案は、国家公務員の定年を60歳から65歳に延長する国家公務員法改正案とセットで3月13日、提出された。検察官の定年を現行の63歳から65歳に延長し、幹部の役職は63歳で終了して一般の検事に移行(役職定年制)することを定めている。

     問題は、63歳に達した役職者について、政権の意向で引き続き同じ役職にいることを可能としたことだ。

     社会文化法律センターや自由法曹団などでつくる改憲問題対策法律家6団体連絡会は3月24日、国会内で会見した。海渡代表は「検察の役職者は63歳時点で平の検事になるか、役職者にとどまれるかが分けられる。その判断は内閣が行うという中身だ」。政権の違法行為を暴くような検事は63歳以降も平のまま。一方、政権を忖度する検事は役職を維持できる仕組みだと解説した。

     自由法曹団の吉田健一団長も改正案について「独立・公正であるべき検察庁を政権への忖度で動く組織にして、支配しようということだ」と批判。安倍政権が東京高検の黒川弘務検事長の定年延長を法の解釈変更で可能とし、閣議決定したことに触れ「こうした違法人事の合法化でもある」と強調した。

     

    〈写真〉検察庁法改正案の危険性を指摘する海渡雄一弁護士(3月24日、国会内で)