全国ユニオン(連合加盟)は3月19日、厚生労働省への要請を行った。新型コロナウイルス対応での雇用形態による格差は健康と命にかかわるとして、休業補償の徹底・拡充や解雇を含む不利益な扱いの防止を図るよう指導を求めた。
●労働者に直接届く対策を
新型コロナの影響で解雇や雇い止めなどが出始めている。傘下のユニオンみえによると、自動車部品の製造工場で働く労働者は、3月初旬に夜勤勤務から日中勤務となり、中旬には「3月末で辞めてくれ」と言われたという。
新型コロナに便乗した雇い止めもある。会社は減産していないのに、労働者が妊娠を告げた後「契約更新はしないと言われた」との相談が寄せられた。
全国ユニオンは要請で、雇用保険の被保険者であった期間が基準に満たなくても特例として支給対象とする必要があると訴えた。
鈴木剛会長は「阪神淡路大震災の時に、雇用保険未加入の労働者や、働いていたという証明書を提示できない労働者に対しても、支給対象にするという特例措置を認めさせた歴史がある。過去の実例を踏まえて、立場の弱い労働者に直接届くような対策を行ってほしい」と要請した。
不合理な格差を禁じる「パートタイム・有期雇用労働法」(中小企業は21年4月から)の4月施行を前に正規労働者の待遇を引き下げた事例をあげ、法の趣旨に反するものだとして改善を求めた。
〈写真〉全国ユニオンの厚労省要請には約40人が参加した。東京ディズニーランドなどで働く組合員は「自宅待機がいつまで続くのか分からず、他にアルバイトもできない」と窮状を訴えた(3月19日、都内)
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