客が料理を注文すると飲食店と配達員をアプリでつなぐウーバーイーツ。この配達員でつくる労働組合が3月16日、運営会社であるウーバー・ジャパンなどが団体交渉に応じないのは不当労働行為だとして、東京都労働委員会に救済を申し立てた。配達員は個人事業主と扱われており、労働組合法の労働者性、使用者性が焦点となる。
配達員らは昨年秋、ウーバーイーツユニオンを結成。事故時の補償や報酬の計算方法などについて団体交渉を求めたが、配達員らは労組法上の労働者ではないとして拒否された。
組合は、白タク事業を狙うライドシェア大手の日本法人ウーバー・ジャパンと、関連のウーバー・ボルティエ・ジャパンの2社に対し、団交応諾と、再発防止の誓約を求めている。
申立書は、個人請負で働く補修業務従事者の労働者性を争った裁判(INAXメンテナンス事件)の最高裁判例の枠組みに沿って配達員の働き方を確認した。
ウーバーイーツ事業は「貨物運送事業である」とし、(1)配達員は事業に不可欠な労働力として組み込まれている(2)報酬は同社が一方的に決定(3)報酬は労務の対価(4)業務をキャンセルすることは著しく困難(5)下請けに出すことを禁じられるなど事業者性が全く見られない――などを指摘。「配達員は、労働組合を組織し集団的な交渉による保護が図られるべき労働組合法上の労働者に当たることが明らか」と主張している。
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ウーバーが展開する事業の特徴は、運転手や配達員を個人事業主として扱うこと。最近では雇用労働者であると認定する司法判断が各国で相次いでいる。直近では、フランスの最高裁にあたる破棄院が3月、運転手と同社の間に雇用関係があるとの判断を示した。
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