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    2次回答への上積み求めスト/JMITU東京東部地協

     日本金属製造情報通信労働組合(JMITU)東京東部地区協議会は、新型コロナウイルスの影響で3月12日に予定していたスト集会を中止し、各職場で急きょ半日ストライキを行い、さらなる上積みを求めた。地協で激励団を作り、職場を回って連帯を訴えた。

     

    ●初の5桁賃上げ回答/南千住エンジニア支部

     

     南千住エンジニア支部は1万円の賃上げと住宅手当千円を勝ち取った。同社で5桁の賃上げ回答はこの10年間で初めてだという。初回回答後の職場討議では「評価できる」との意見が多かったが、東部地協全体として底上げを目指す意味で第2次の半日ストを行い、操業が止まった。組合役員は「新型コロナウイルスの影響で春闘も自粛ムードがあるが、そのせいにするなと言いたい。春闘とは関係ないんだぞと会社と話し合っていく」と語った。

     

    〈写真〉半日ストを決行中。組合事務所前で組合役員が激励団を迎え交流した

     

    「景気悪い」認めず/小坂研究所支部

     小坂研究所支部は、前日の団体交渉で上積み回答(7千円)だったが、職場討議を行った結果、さらなる上積みを求めて、半日ストライキを行った。決起集会では団交の冒頭で組合員の声を読み上げたことを紹介した。

     白井佑樹委員長は「経営側は今まで『景気が悪い時でも安定した賃上げをするために(資金を)ためている』と説明してきた。今回、景気が悪いからといって(要求金額を)出せないという言い分は(組合として)絶対に認めてはいけない」と決意を述べた。

     

    〈写真〉会社の食堂で開いた半日スト決起集会。青年や女性組合員も参加し、激励団の訴えを聞いていた

     

    半年後の職場を守る/大東工業支部

     大東工業支部は、スト集会が中止になったことにより、部署ごとに30分間のリレーストを決行した。戸惑う声がある中での決断だった。スト参加者に対し東部地協の川田泰志議長は「ストを打つこと自体が他の会社に影響を与える。急きょストを行える団結はすごい」と激励した。澤合直樹委員長は、6400円の賃上げ回答後の職場討議で「上積みを要求すべき」との声があったことを紹介した。

     JMITUの三木陵一委員長は「今年の春闘は新型コロナウイルスの影響で今までとは違う状況だが、春闘を原則的に闘うことが大事だ。この闘いがさらに景気悪化するであろう半年後、1年後の職場を守る。生活実態をぶつけて、上積みを求めていく」と話した。澤合委員長も「賃上げは当然だ。生活が苦しいときこそ、前に出ないとダメだ。(賃上げを)勝ち取って働くのが労働者だ。よりよい生活を求めていく」と決意を語った。

     

    〈写真〉東部地協では、各支部がお互いに励まし合うため、檄文を届けている。スト中に檄文を書く組合員(3月12日、大東工業支部)