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    早期の民法改正をアピール/選択的夫婦別姓求める院内集会/与野党議員がそろい踏み

     選択的夫婦別姓制度の法制化のために早期の民法改正を実現させようと訴える集会が2月27日、国会内で行われた。与党の国会議員や野党の党首が出席し、超党派で推進するとの決意を表明した。「mネット(NPO民法改正情報ネットワーク)」が主催し、日本弁護士連合会が共催した。

     現行法では結婚すると戸籍上、夫婦どちらかの名字に変えなければならない。民法が夫婦別姓を認めず、同姓を義務付ける規定の是非が問われた裁判で、最高裁は2015年、現行規定を合憲と判断した。

     近年、結婚しても働き続ける女性が増え、朝日新聞の1月の世論調査でも69%が「賛成」と答え、24%の「反対」を大きく上回った。

     名字が変わると、個人を識別する困難さが生じるだけでなく、社会人としての信用や実績が中断するとの声がある。通称で旧姓が使えても、行政手続きの煩わしさや必要な行政サービスが受けにくいとも指摘される。

     選択的夫婦別姓制度を望む声が高まるが、政府は後ろ向きな答弁に終止している。国連女性差別撤廃委員会は16年、総括所見で、女性が婚姻前の姓を保持できるよう法改正を日本政府に要請している。

     この日の集会には、立憲民主、国民民主、共産、社民の各党党首、自民、公明の国会議員が駆けつけた。自民党の女性議員は「(自民党内の)賛成者は少なくない」と激励した。

     

    〈写真〉選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める院内集会には連合の井上久美枝総合政策推進局長が参加し、連帯を表明した(2月27日、国会内)