貿易問題の監視や提言活動を行っている米国の市民団体パブリックシチズン(PC)が、軍事予算を削減して医療や教育などに充てるべきだと訴えるキャンペーンを展開中だ。
PCは、オバマ政権が軍事費の削減に着手したにもかかわらず、トランプ大統領は軍拡を進め、新年度予算案で軍事費を前年度比200億ドル(約2兆2千億円)増やそうとしていることを批判。逆に毎年2千億ドル(22兆円)の削減が必要だと訴えている。削減の対象として23項目を列挙し「安全保障のレベルを下げることなく、無駄な軍事費を削減すれば達成は可能」と主張する。
●海外基地の再編縮小も
最も削減効果が大きいのは、海外での緊急対応作戦に関わる費用だ。緊急性に関係なく、予算が組まれているとして約690億ドル(7兆6千億円)を削れるとしている。
このほか、国防総省の業務について、外部委託を15%削ることで260億ドル(2兆8千億円)の削減が可能と試算。同じ業務を遂行する場合、委託会社の従業員のコストは、連邦職員のコストの2~3倍にもなるという。
海軍艦船建造費の削減や、大陸間弾道弾などの核戦力の抑制に加え、戦闘機の開発中止も求めている。欠陥が指摘されるF35戦闘機については「F16やF18の戦闘能力があれば十分。将来的にF35に置き換える必要はない」と強調している。
核兵器の研究施設の整理や、海外に展開している米軍基地の再編・閉鎖、アフガニスタン派兵の半減も求めている。
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