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    正規と非正規の分断やめよう/郵政第2次訴訟/原告インタビュー

     原告の一人、落合秀紀さん(42)は、就職氷河期世代だ。50社近くに応募しても正社員採用はかなわず、学生時代にアルバイトの経験があった千葉県内の郵便局で働き始めた。就職先が見つかるまでのつもりだったのが、勤続20年に。裁判に挑む心境を聞いた。

     

     ――正社員との差を感じることはありますか?

     落合 正規と非正規で業務内容に差や違いはありません。 最も差を感じるのは、人事評価制度です。技術や能力による人事評価と賃金がリンクしているのですが、スキルアップする機会が非正規には与えられていません。新しい業務知識は積極的に正社員に教えられ、自分たちは後回し。そう感じている人は少なくないと思います。

     人事評価の基準は、どれだけ広い範囲で配達できるかが基本。賃金アップを目指して範囲を広げたくても、任せてもらえません。能力を身につける機会がないことに差別を感じます。

     ――組合に入ったきっかけは?

     郵政ユニオンの支部がある職場に異動したのがきっかけです。私も勧誘の声を掛けますが、正社員登用に不利になるのではと、良い反応はありません。不満や文句ばかりの人もいます。組合で一緒にどうやって解決するか、行動に移すのはなかなか難しいですね。日本郵便に限らず、多くの職場がそういう雰囲気なのでは、と思います。

     ――2次訴訟の原告になったのは?

     1次訴訟(現在最高裁で係争中)の際、原告にならないかと誘われましたが、参加しませんでした。その後、労働契約法や裁判の争点を学び、少しずつ理解を深めるうちに、挑戦したいという気持ちが湧いてきました。

     原告は154人もいますから、参加理由は人それぞれ。お金が欲しい人もいます。裁判の行きつくところが、金銭の支払いであっても、組合として闘い、非正規の処遇改善で社会を変えようという運動に意義を感じています。

     新卒時の就職活動が順調で、正社員になっていたら、非正規の処遇改善に興味を持たなかったでしょう。就職活動に失敗した怒りや不満を、組合活動を通して解決したいという思いもあります。

     私にとってこの裁判は会社へのメッセージでもあります。正規と非正規で分断するのは終わりにしないか、と。