昨年12月に最低生計費調査の結果を発表した東京地評と東京春闘共闘会議が2月9日、都内で学習討論集会とシンポジウムを開いた。テーマは「全国一律最賃の実現と賃金運動の前進」。来賓として、自民党で最低賃金の「全国一元化」を掲げる議連の事務局長を務める務台俊介衆院議員や立憲民主党の最賃プロジェクトチーム座長の末松義規衆院議員ら、与野党の国会議員が駆けつけた。社民党や国民民主党もメッセージを寄せた。
●地方で大いに議論を
自民党の務台議員は「労働者の権利として最賃を引き上げるのは当然だが、その背景として地方をいかに元気にするかを議論している」と述べた。世論の状況について「東京では皆さんから話を聞くが、私の地元長野の労働組合からは一切話が来ない。(最賃の)地域間格差で苦労しているはずの地域として残念だ。各地で与野党問わず、若い人も交えて議論することが大事ではないか。政府を挙げて(最賃引き上げや一元化を)やらなきゃいけないと思わせるような議論をしたい」と注文を付けた。
立憲民主党の末松議員は「最賃引き上げのスピードが足りない。政権交代をして、理論的にも勢力的にも経団連と対峙(たいじ)し、打ち勝っていく形にしなければ。生半可では実現しない」と語った。中小企業が賃上げできない理由として、大企業が下請け企業にコストダウンを強いる慣行があると指摘。その打開に向けて法整備を考えていることも明らかにした。
●調査で政府の認識正す
共産党の厚生労働部会長である宮本徹衆院議員は「政治ができる最大の賃上げは最賃の引き上げだ」と話し、東京地評などの最低生計費調査について、「実際にどれだけのお金が生活に必要なのか、各地で皆さんが調査したことは、政府の認識を正していく上でも非常に大きなものがある」と指摘。中小企業支援として社会保険料の軽減に加え、賃上げへの直接的な助成も含めて考えていると話した。(シンポジウムは次号掲載予定)
〈写真〉来賓あいさつする務台議員。集会参加のため長野から駆けつけた(2月9日、都内)
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