介護施設を運営するクローバー(サンライフグループ、神奈川県平塚市)の沼津事業所で働く職員23人が1月31日、パート労働者への一時金支給と、正職員を含めた未払い賃金の支払いなどを求めて静岡地方裁判所沼津支部に提訴した。23人はプレカリアートユニオンの組合員。
クローバーは、正職員には年2回、各1カ月分の一時金を支払っている。一方、パート職員には支給規定がない。組合員は「正職員と同じ仕事をしているのに、なぜ一時金がないのか」と声を上げ、団体交渉を経て2018年夏に1人5千円の支給を勝ち取った。ところが、会社は同年冬、5千円の支給を拒否。団交にも応じなくなった。
シングルマザーのパート職員(26)は「正規と同じだけほしいなんて言っていません。少しでも気持ちがほしかった」。18年12月には、5千円の一時金で子どもにクリスマスプレゼントを買うはずだったが、それもかなわなくなった。
●人員が足りない
裁判では、一時金不支給が労働契約法20条(不合理な労働条件の禁止)違反だと訴えている。正職員には成績や業績に関係なく、ほぼ自動的に1カ月分が支払われていると指摘。同じ仕事をしている以上、パート職員にも支払うのが当然という主張だ。
未払い賃金の対象は、夜勤時の休憩時間に働いた分など。「一晩で利用者からのコール対応が約30件あり、とても休めない状態」だ。正職員の女性(48)は未払い賃金以外にも不満は多いという。「退職金があるのは本社だけ。人員が少ないため年休もろくに取れません。募集しても魅力のない求人だから、誰も来ない。みんな苦しんでいます。この状態を解決したい」と話している。
コメントをお書きください