「日本の未来を左右する2020春季生活闘争がいよいよスタートする」――連合が2月3日に確認した闘争開始宣言の書き出しだ。この日、都内で開いた決起集会には千人余りの組合員が参加。賃上げを日本社会全体に波及させ、先進国で唯一賃金が低下した分配構造を転換しよう、と決意を固め合った。
神津里季生会長は「株主配当、役員報酬は増えた。企業の内部留保は積もりに積もって450兆円となった。では私たちの賃金はどうか。欧米先進国がこの20年で賃金が1・5~2倍に上昇したのに、日本は0・9倍。おかしい。分配構造のひずみを正さなければならない」と語気を強めた。
経団連が今年の経労委報告で、終身雇用や年功賃金など「日本型雇用」の見直しを打ち出したことにも触れ「日本型雇用の良いものを自ら失った20年だった」と反論。「経団連は会員企業のためだけの組織なのか。日本全体の問題に目を向けていないのか」と反問した。
現場で働く二人の中小労組代表が決意を述べた。JAM扶桑工業労働組合の清水卓也委員長は長く続いた会社更生から抜け出し、残業しなくても暮らせる賃金にするよう賃上げ交渉に継続して取り組む決意を表明。食品スーパーのUAゼンセンヨークマート労組の細谷良蔵委員長は、60歳以降の賃下げと一時金不支給を改め、定年前と同じ額を支払うよう求めていくと語った。
〈写真〉「私たちが未来を変える!」。社会運動としての春闘がスタートした(2月3日、都内)
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