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    実質賃金引き上げへ2%基準/UAゼンセン/パート一時金、年2カ月以上

     製造、流通、サービスの労組でつくるUAゼンセンは1月30日、都内で中央委員会を開き、2020労働条件闘争方針を確認した。家計の維持と経済の持続的成長を掲げ、実質賃金を引き上げるとして、昨年同様2%基準の水準引き上げ、総額で9500円か4%を掲げる。底上げ・格差是正を特に重視する内容となっている。

     方針は実質賃金引き上げと併せて、労働時間短縮、65歳定年制、雇用形態間の均等・均衡処遇など、生産性向上と人材不足対策を柱に据えた。同じ地域や業種で情報を共有し相場形成を進める「顔の見える共闘」を強め、3月内決着を目指すとしている。

     企業内最低賃金の取り組みにも力を入れる。協定締結を必須の課題に設定。月額では16万9千円、時間額では地域別最賃の1・1倍の額か、1030円を基準に物価の地域差を勘案した都道府県別の要求基準(991~1076円)を据えた。

     パート労働者の賃上げについては、正社員と同様、制度昇給分とは別に2%基準、総額4%とする。

     一時金は正社員が5カ月基準。パート労働者については年2カ月以上とし、詳細は部門ごとに決める。流通部門では仕事が異なる場合は2カ月基準で、同じならば3カ月、正社員と同視すべき働き方であれば同じ要求としている。雇用形態間の均等・均衡を定める法律が4月に施行されるのを受け、いかに金額を引き上げられるかが注目される。

     

    〈写真〉UAゼンセン中央委員会会場ロビーでは参加者らが核兵器廃絶1千万署名に応じていた(1月30日、都内)