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    「前年妥結を下回るな」/UAゼンセン松浦会長/手当削減は「合理化闘争」並みに

     製造、流通、サービスなどの労組でつくるUAゼンセン(179万人)の松浦昭彦会長は1月30日、環境の厳しさが指摘される今春闘交渉について、前年妥結を下回ることは容認できないとの厳しい姿勢を示した。「同一労働同一賃金」ルールの回避を狙った正社員の手当引き下げには「合理化と同様の基準で対処していく」とくぎを刺した。この日、都内で開いた中央委員会でのあいさつ。

     松浦会長は今春の交渉について「賃上げの流れを弱めず、きちんと継続できるかどうか、正念場の闘争となる」と強調。製造業を中心に業績の厳しさが指摘される中、労働組合が賃上げの停滞を容認すればデフレを再来させかねないとし、「よほどのことがないと前年妥結を下回ることは容認できない、今年こそ格差是正を進めるチャンスとの認識を共有し、共闘の効果を最大限発揮することに闘争の成否がかかっている」と奮起を促した。

     近年のパート労働者の賃上げの勢いをさらに強めるとともに、「同一労働同一賃金」関連法の履行状況についてチェックを行うよう提起。同法の適用逃れのための正社員の手当廃止提案に対しては、「『合理化』と同様の基準で対処していくべき」と述べた。

     合理化提案があった場合、UAゼンセンは本部に対策委員会を設置する。経営上の理由、回避策、合理化案の妥当性、経営の改善見込みを経営側に説明させる。十分な組織討議を経て、経営責任を明確にした上で、妥結は本部の承認の下、行うことになる。

     

    〈写真〉UAゼンセンの松浦会長は65歳定年について「本年は結論を出す交渉」を要請した(1月30日、都内)