全労連や純中立労組でつくる国民春闘共闘委員会が1月10日、単産・地方代表者会議を開き、2020年春闘方針を決定した。大幅賃上げを実現し、「将来の人生設計が立てられる職場と社会」をつくる国民春闘と位置づけた。全国一律最低賃金制度の法制化と非正規労働者の均等待遇実現、労働時間の短縮、「改憲反対・憲法守れ」の運動を重視している。
●成果主義賃金、許さない
あいさつした小田川義和代表幹事(全労連議長)は「連合が富の配分構造を転換する立場から『企業の内部留保の積み上がり』を問題視し、賃金の地域間格差是正に向けた論議の必要性を強調している点は、昨年よりも踏み込んだ内容であり、歓迎したい」と述べた。
また、ジェンダーギャップ指数が世界で121位という女性参画の低さは、労働組合に突きつけられた問題提起だと指摘し、「『人件費抑制や成果主義賃金への改変を狙う企業の制度見直しを許さない』『同一労働同一賃金は非正規労働者の賃上げで』と訴え、闘いを強める」ことを確認した。
●粘り強い交渉でベア獲得
討論では、自治労連や国公労連といった公務労組でも最賃への関心が高まっていることが報告された。自治労連は「自治体ごとに0~20%の地域手当差があり、隣接する地域で10%も違うなど地域間格差が深刻。高卒初任給が〃最賃割れ〃している自治体もある。今までは最賃について議論にならなかったが、『春闘アンケート』(約2万5千人・12月上旬現在)では、政府に対する要求で『医療・介護の充実』に次いで『最賃引き上げ』が多く、関心の高さを示している」と語った。
民放労連は、ある地方民放局の労組(組合員12人)では、20年間ベアを獲得できなかったが、昨年の春闘交渉で経営者から「このまま賃上げしなかったら(人材を確保する)勝負にならない」との発言を引き出し、初任給1万4千円の賃上げを勝ち取ったと報告した。同労組は40代の書記長を中心に11月まで妥結せずに闘い、25歳、26歳などの給与が初任給より低くなるため、順次引き上げることを確認。若年層の賃上げが進んだと話した。
〈写真〉単産・地方代表者会議では、内部留保の活用を求めて大企業などに要請を行うことを決めた(1月10日、都内)
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