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    不当労働行為中止などを要求/タクシー協同組合職員がスト

     東京都個人タクシー協同組合世田谷第三支部(事業所)の女性職員2人が1月8日、不当労働行為の中止と、再雇用の労働条件の改善を求め、ストライキを行った。2人は全国一般東京東部労働組合の組合員。

     当該組合員の朝貝玲子さんは、現支部長の就任以降、パワーハラスメントを受けてきたという。朝貝さんは同僚と2人で労働組合に加入し、パワハラをやめるよう求めたが、事態は悪化。「組合に入って顔つきが変わった」といった発言や脱退の強要など、不当労働行為が続いていると、同労組は主張している。

     3月に定年を迎える朝貝さんの再雇用の労働条件について、使用者側は財政難を理由に労働日や手当を削り、現在の半分以下の賃金を提示。その一方、非組合員には賃上げを実施した。組合は、生活維持が困難な条件を示して退職を迫るものだと反発し、再検討を促したが、ゼロ回答だったため、ストに踏み切った。

     スト中の団体交渉で使用者側は要求を拒否。自らの発言があったことを認めつつも、「何を言おうが表現の自由」と述べたという。

     東部労組では同協同組合の四つの事業所を組織し、女性14人が加入。これまでにはパワハラをした使用者をストで解任に追い込んだケースもある。須田光照書記長は「使用者として身に付けておくべき労働関連法規を知らず、残業代不払いなどが横行している。職員を下に見る傾向もあり、パワハラやセクハラに悩む職員が多い」と語った。

     

    〈写真〉「生活できる労働条件で雇ってほしい」と訴える朝貝さん(右/1月8日、都内)