連合は2020年9月までに女性の役員比率と機関会議参画率を3割にする「第4次男女平等参画推進計画」を掲げ、産別や単組が達成に向けて、取り組みを進めている。連合東京の傘下組合で、参画率3割をすでに達成し、5割を目指している中央労働金庫労働組合を訪ねた。
●女性が三役に
関東1都7県に統括支部(県単位)と147職場支部がある中央労金労組。独自の第3次男女平等参画推進計画で、「男女がともに意思決定に参画できる組織体制づくりとして、組合員の男女比率に応じた数値目標(組合員女性率50・2%)」を設定し、21年9月までに、女性役員5割を目指すことにした。
現在の女性役員比率は、支部三役で33・3%、統括支部執行委員で36・1%、中央労金労組執行委員で25・0%、同役員四役で22・2%と、役員全体で33・3%。毎年、女性役員数を統括支部ごとに1人ずつ増やす計画だ。
8月の大会で、初の女性書記長(専従)に選出された三枝理恵さん(37)は「5割を実現するには、女性が統括支部の三役を担わないと難しい」という。
職場に半数以上いる女性職員の声を聞き、改善を図るには、同じ比率の女性役員の存在が欠かせないと考えている。不満を含めて声が上がり、それが受け止められる風通しの良い職場は、事業体にとってもプラスになると話す。
女性参画を進める上で、組織トップのリーダーシップも重要だ。中央労金労組では源波信亮委員長が先頭に立ち、女性役員を増やそうと訴えている。大会終了後から次年度の役員候補を挙げ、諸活動に誘うなど、年間を通じて取り組む計画をスタートさせた。
●平和運動に感銘を受け
三枝書記長は05年に入職し、08年に組合役員になった。「(会議などで)座っているだけでいいから」「女性参画率を上げるために役員に」と誘われた時には、「それなら自分じゃなくてもいいのでは」と断ったこともあるという。
気持ちが動いたのは入職2年目に「広島平和行動」に参加した時。労働組合が平和運動に取り組むことに感銘を受け、その時の組合役員から声がかかり「やってみよう」と決意。役員としての活動に踏み出した。
書記次長に選出された時は営業職で仕事と組合活動の両立が大変だったが、男性役員が組合の事務的な作業を分担してくれ、女性の視点で発案、提案することに集中できた。
「夢は今の書記長時代に結婚し、妊娠して、定期大会で大きいお腹で議案提案をすること。結婚や出産を理由に組合役員を降りる女性が多いので、私がパイオニアになるしかないかな」と語る。
コメントをお書きください