金属労協(JCM)は12月4日、都内で協議委員会を開き、前年に続き、3千円以上のベア・賃金改善に取り組む方針を確認した。2022年度以降の中期目標として、企業内最低賃金協定を月額17万7千円程度(時給1100円)への到達を新たに掲げた。
高倉明議長(自動車総連会長)は「総じて大変厳しい事業環境にある。そうである時こそ、みんなで生み出した付加価値を働く者に適正に還元する責務が経営者にはある」とし、「経営が最優先に考えるべきは『人への投資』であり、その手法は基本賃金の引き上げが基軸だ」と強調した。中小組合の底上げを支えるため、自社の賃金の位置を確認できるよう「金属労協全体の賃金水準分布のデータ整備を進めていく」と述べた。
3千円以上の賃上げ要求は5年連続。地域別最賃が22年度に全国加重平均千円、東京、神奈川では1100円に到達する見込みだとし、新たに月額17万7千円程度を企業内最賃協定の中期目標に設定した。
構成組織からは「月齢賃金の上げ幅だけでなく、絶対額を目指す取り組みを重視し、企業内最賃の取り組みも強化する。JCMの強力な結束の下、その一員としてしっかり連帯していく」(自動車総連)、「生活、雇用、将来の三つの不安払拭(ふっしょく)のために人への継続した投資を求める。大変厳しい交渉が予想される。5産別の強固な結束を」(電機連合)などの見解が表明された。
〈写真〉厳しさが強調される金属産業の春闘。結束した取り組みとなるかが注目される(12月4日)
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