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    月25万円・時給1500円を/全労協などの20けんり春闘/困窮打開の最低賃金保障モデル

     全労協などでつくる共闘組織「20けんり春闘」が11月29日、都内で発足し、20春闘の方針と要求を決めた。「労働を!生活を!そして社会を変えていく20春闘を!」がメインスローガン。月額25万円以上、時給1500円以上の最低賃金保障をはじめ、月額2万円(7%相当)、時給150円以上のベアなどを要求。8時間働けば生活できる賃金の獲得を目指す。

     中岡基明事務局長は「19春闘では名目賃金が2%程度上がったというが、実質賃金は低下し続けている。大手と中小、正規と非正規の格差は深刻だ。最賃の全国加重平均額が900円台になったといっても、地域間の格差は一向に縮まらない」と指摘し、格差解消に全力を上げると述べた。 

     公務職場で進む人員削減や委託・民営化と正面から闘わなければならないと強調。その上で、来年度から施行される会計年度任用職員制度に触れ「不安定雇用だ。ボーナスを出すからといって月々の給与を下げるといういびつな状況になっている」と批判し、制度移行に伴う雇い止めの阻止と処遇改善を訴えた。

     要求は(1)どこでも誰でも月額25万円以上、時給1500円以上の最低賃金保障(2)月額2万円(7%相当)、時給150円以上の賃上げ(3)ハラスメント撲滅――など。月額25万円の根拠は、一人親世帯などの生活困窮を打開するためには、年収300万円が必要とし、月額を前年比で5万円上乗せした。非正規労働者の処遇改善では、有期契約雇用と正社員の不合理な格差を是正するよう命じた労働契約法20条裁判の各判決を生かしていく。

     「(20春闘は)1日8時間働けば生活できる社会を作る闘いだ。職場と地域が連携し、社会的観点から運動を作る議論を」と呼びかけた。