自治体の現職首長と経験者131人による「全国首長九条の会」が11月17日、都内で結成された。安倍政権の9条改憲を阻止するため、当面は改憲発議に反対する取り組みを推進。草の根の運動と連携しながら、署名や選挙の応援などを行うことにしている。
明治大学で開かれた結成のつどいには、現職・元職の首長37人と市民が参加した。
首長九条の会は2008年に宮城県でつくられ、15年には東北6県市町村九条の会連合に発展。昨今の9条改憲に向けた動きをにらみながら、全国の組織結成を準備してきた。
準備会を代表して経過を報告した川井貞一元宮城県白石市長は「安倍政権はもう末期症状を呈しているものの、(右派団体の)日本会議と手を結んで改憲集会を開いている。その執念を油断してはならない」と述べた。その上で「改憲を目指す動きを、草の根の運動で阻止しよう。今日がその出発点だ」と訴えた。
現職の松下玲子武蔵野市長は、市内にあった巨大な軍需工場が空襲を受けた歴史があることを紹介。「市民とともに平和事業を進めている」と述べた。同じく現職の中川智子宝塚市長は、15年の安保関連法に反対してきた自身の取り組みについて語り「憲法のなし崩し(改変)には黙っていられない」と強調した。
全国の会は改憲阻止の一環として、自衛隊員募集業務の自治体への強制や、沖縄・辺野古新基地建設に反対する活動も行うという。
〈写真〉全国の会結成に参加した首長と経験者ら(11月17日、都内)
コメントをお書きください