連合は10月24日に開いた中央執行委員会で、定期昇給相当分2%に、賃上げ分「2%程度」を加えた上げ幅を要求基準とする2020春季生活闘争基本構想を確認した。企業内最低賃金協定で時給1100円以上をめざすなどの賃金指標も示した。11月6日の討論集会を経て12月の中央委員会で決定する。
基本構想は、個人消費を促し経済の自律的成長を後押しするなどとして、要求基準については、定昇相当分(2%)に、賃上げ分である「2%程度」を加えた上げ幅を設定している。19闘争と同様だが、「2%程度基準」だったこれまでの表記から、「基準」を外した。
格差是正・底支えのための目標水準も設定。30歳・25万6千円、勤続17年相当で時給1700円・月給28万5千円以上などを提起している。企業内最低賃金協定を、非正規労働者を含む「すべての労働者を対象に締結する」とし、その水準として「時給1100円以上をめざす」とした。
神津里季生会長は定例会見で、「20年間のデフレで格差が拡大した。ここをどうキャッチアップしていくかが、一連の取り組みの最も大事なところだ。時々の経済状況によって賃上げしないということにはならない。昨年までの数字を変えると誤ったメッセージ性を持ってしまうため、数字は踏襲した」と説明した。
要求基準の表記を変えたことについては、「2%といっても、それぞれ(構成組織)の状況、経緯などから、必ず2%に収斂(しゅうれん)させるという縛りをかけるのは難しい。『程度』という表現を続けながら、賃金に最大の焦点を当てるという思いを込めて、(『基準』を削除し)スッキリした表現にした」と語った。
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