流通などの組合でつくるUAゼンセンは9月23日、悪質クレーム撲滅の啓発動画「僕にも家族がいて、人生があります。」をYouTubeで公開した。
従業員への土下座の強要や誹謗中傷など、顧客からの行き過ぎた悪質クレームは社会問題に発展している。公開された動画は2作目で、スーパーの男性従業員が執拗(しつよう)なクレームに耐えるリアルなシーンなど、ドラマ仕立てで構成。労働者の人権擁護の視点から問題の深刻さを訴えている。
ゼンセンは、悪質クレームのアンケート調査やシンポジウムに取り組み、防止と抑止のための法制化を求めてきた。厚生労働省の労働政策審議会では、国際労働機関(ILO)が6月に採択したハラスメント禁止条約を受け、ハラスメント防止の具体的な指針策定が議論されている。
ゼンセンの担当者は動画の公開にあたって「クレームは消費者にとって正当な権利であり、サービス向上に必要な資源だが、心無いクレームは、一人の人間を傷つけることがある」とコメントし、実効性ある指針の策定に期待を寄せた。
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