全建総連東京都連はこのほど、2月に実施した建設職人の賃金調査の結果を公表した。調査対象は1万2774人。それによると、公共工事の工事費を積算する際に定められる設計労務単価は近年、大幅にアップしているにもかかわらず、労働者が受け取る賃金はほぼ横ばいで、2019年にはその差が日額で7607円(東京・大工常用)も開いていることが分かった。
●実際の賃金は横ばい
設計労務単価は、建設労働者が受け取るべき賃金として国土交通省が定め、47都道府県51職種に設定されている。建設業界の処遇改善や担い手不足対策として12年の1万9200円から19年には2万5300円(東京・大工)となった。一方、実際に受け取っている賃金は横ばい傾向が続き、19年は1万7693円(大工・常用)にとどまっている(グラフ)。
●安全用具やガソリン代も
実際に手元に残る賃金はさらに低い。ほとんどの建設職人が必要経費を自己負担しているためだ。手間請(賃金のみの個人請負)は7割近くがガソリン代などの燃料費を負担。常用(月固定給)でも作業安全用品(11・4% 8601円)やガソリン代(11% 1万5722円)を自分で払っている。
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