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    実質賃金の維持・向上を/来春闘で金属労協方針/相場形成の取り組みを補強

     金属労協は9月3日、都内で定期大会を開き、2020年闘争について「消費税率引き上げの影響なども踏まえ、物価動向を注視しながら、実質賃金の維持・向上のための取り組みを強化する」などの補強方針を確認した。賃金水準による社会的相場形成を通じた底上げ・格差是正の取り組みの具体化を検討する。各産別が発言した。

     高倉明議長は19闘争について「大変厳しい交渉だったが、粘り強く訴えて3分の2の組合が賃上げを獲得し、底上げ・格差是正に寄与した」と振り返ったうえで、20闘争では「世界経済の低迷による企業業績の悪化や、消費税引き上げの影響などが懸念される中、賃金水準の社会的相場形成、共闘のあり方を論議したい」と語った。

     各産別からは、「百年に一度の大変革期。中小労組の所得向上、底上げ、格差是正の進展に資する具体的方策を検討していく」(自動車総連)、「米中貿易摩擦、消費増税など大変厳しい中、労組の社会的役割を果たし、労働条件改善や格差改善を進めなければならない」(電機連合)、「毎年賃上げが行われることが当たり前という社会環境をつくることが大事。賃上げ額を掲げながら賃金水準による相場形成を進めるための具体的な検討を行う必要がある」(JAM)、「賃上げの社会的相場形成に向け、これまでと同様に『賃金水準のみならず、上げ幅にこだわった取り組み』を要請する」(基幹労連)などの発言があった。

     

    〈写真〉高倉明議長は、参院選で傘下の組織内候補が当選に至らなかったことを「残念でならない」と述べ、野党勢力の結集を訴えた(9月3日、都内)