国家公務員の高卒初任給の低さがあらためて問題視されている。別途支給される「地域手当」を加えても〃最低賃金割れ〃になる地域が少なからずあるためだ。8月7日の人事院勧告に基づく高卒初任給と10月から適用される新しい地域別最賃額を国公労連が比較したところ、立川市(東京)や相模原市(神奈川)、豊橋市(愛知)など、一定規模の自治体(地域)でも最賃額を下回ることが分かった。
今年の人事院勧告で、高卒初任給は2千円引き上げられて15万600円となった。時給に換算すると897円(労働時間は年2015時間で計算)となり、今年の地域別最低賃金改定額の加重平均901円を下回っている。
公務員には地域手当が加算されるため、実際に最賃割れが起きる地域は多くないといわれているが、国公労連の調べでは5都府県の34市町村が地域手当を加えても最賃を下回っている(表)。
地域手当は、地域の民間賃金水準を公務員給与に反映させることを目的に、民間賃金の高い地域に勤務する職員に支給するものだと説明されている。1級地から7級地まで区分されており、非支給地もある。昨年最賃割れの市町村は3都府県、今年は2県増えた。地域手当の非支給地を加えると最賃割れ地域はさらに増える。
人事院勧告が最賃引き上げの流れに追いついていない格好となっている。
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