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    中小は30歳で25万6100円/めざすべき水準で連合PT答申/非正規は時給1700円

     めざすべき賃金の社会的横断水準を検討してきた、連合の賃金水準検討プロジェクトチームの答申が8月23日、中央執行委員会で報告された。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(賃金センサス)を活用し、中小労組については30歳で25万6100円などを当面目指すべき水準として「適当」とした。非正規労働者の格差是正に向けて「時給1700円以上」の指標も示した。2020年春闘方針を策定する際の参考とする。

     連合は昨年、上げ幅のみならず賃金水準を追求する闘争を強化した。春闘方針には急きょ13の賃金水準指標を掲げたものの、社会全体の理解を得られるかどうかの議論は十分ではなかった。そのため、2月から賃金水準検討PTで検討を重ねてきた。

     答申は、未組織労働者にとっても共通の指標になりうるものとして、厚労省の賃金センサス「フルタイム労働者の平均的な所定内賃金」の活用を提言した。中小企業の労働者が企業横断的に目指すべき水準として設定した。

     その指標は30歳・25万6100円、35歳・28万7200円。連合傘下の組合から寄せられた賃金データとほぼ同水準で、最低限の生計費を想定した連合リビングウェイジ(30歳)を上回る。

     非正規労働者については、「生活を賄う観点と初職に就く際の水準を重視した指標」と、フルタイムの平均的な所定内賃金の2種類を提起した。前者は単身世帯の連合リビングウェイジ(単身男性)17万2488円を、平均所定内実労働時間数(165時間)で割った額(1045円)を切り上げて時給1100円にした。後者は賃金センサスから「時給1700円以上・月給28万500円以上」を算出している。