徴用工問題を機に日韓関係が悪化し、日に日にエスカレートしている。そうした中、市民運動や労働運動のレベルで相互の信頼を高めようという動きも起きている。8月半ばには韓国の民主労総の招きで全労連の小田川義和議長が訪韓。強制労働問題の解決を目指す平和行進や全国労働者大会に参加し、連帯を表明した。
●政府間交渉を要求
小田川議長の訪韓は8月14~16日。ソウル市の光化門広場で開かれた労働者大会では「事の発端は昨秋の韓国大法院(日本での最高裁)が徴用工の訴えを認め、日本企業に賠償を命じた判決に日本政府が過剰に反応したことだ」と指摘。徴用工問題という政治的紛争の解決手段を貿易問題に求めたのは「政経分離の原則に反する、道理のないもの」と述べ、それへの韓国政府の対抗措置についても「残念」と話した。
その上で「日本政府は日韓請求権協定(1965年)を盾に判決を拒否し、韓国を非難する態度を取った。しかし、同協定でも個人の請求権が消滅していないことは、日本の外務省も最高裁も認めている」と、日本政府の姿勢を批判した。
同議長は、協定によって個人の請求権が消滅していないという点を踏まえた事態の解決を主張。「被害者の尊厳と名誉の回復を第一に置いた政府間交渉による解決を日本政府に強く求める」と述べた。
民主労総のキム・ミョンファン委員長は、日本で反安倍闘争を進める全労連をはじめとする人々との連帯拡大を強調したという。
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