NTTやKDDIをはじめ通信産業の労組でつくる情報労連は8月1日、都内で定期大会を開き、改憲に対する見解を組織確認したことを報告した。今後の国会動向や連合内での議論に対応する際の根拠とする。懸案だったソフトバンク労組の加入も承認した。
情報労連は7月の中央執行委員会で「日本国憲法および改憲論議に対する情報労連の認識」を確認した。改憲に関する見解を文書として確認するのは初めて。
野田三七生会長が内容を紹介した。それによると、自民党改憲草案と改憲4項目(9条への自衛隊明記、緊急事態条項の創設など)の問題点を指摘し、「現状において憲法を改正する積極的理由は見当たらない」との見解を表明。国民主権や平和主義など憲法の三原則の堅持などを前提に「憲法への関心を高め、国民的な憲法論議を促進することが重要」との認識を示した。
同会長は「今後の国会の憲法審査会の動向を注視するとともに、連合での議論では今回策定をした『認識』をもって対応していく」と述べた。
●産業全体見据える活動を
JR総連大会で脱退が承認されていたソフトバンク労組(4500人)の加盟が承認された。鉄道設備による電話回線を扱っていた旧日本テレコムを母体とする労組。同社はその後ソフトバンク傘下に入った。
同労組の代表は「平成元年に結成し令和元年にターニングポイントを迎える。会社はAIやIoTなどの新事業を進め、政府は通信料金引き下げや通信事業ルール改変を進めている。会社だけを見ているのではなく、産業全体を考えて活動すべきと考え、JR総連卒業、情報労連加入となった」と経緯を述べ、承認への感謝を述べた。
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