中央最低賃金審議会が7月31日に答申した最賃額引き上げ目安(加重平均27円)について、連合と全労連は同日、それぞれ談話を発表した。
●格差拡大に一定歯止め/連合
連合は、Aランクの東京と神奈川が千円台に乗り、Dランクが過去最高の引き上げ額(26円)になったことなどを評価。「800円以下の県は減少が見込まれ、全国最低800円の確保に向けたさらに前進した」と指摘した。
地域間格差の是正が課題だったとし、目安ではAランクとDランクの差が昨年の4円から2円に縮小し、最高額(東京)と最低額(鹿児島)の比率も77・3%から77・7%へ0・4ポイント改善した点を紹介。「格差拡大に一定の歯止めがかかった」とした。
その上で、政府に対して最賃引き上げに伴う中小・零細企業の労務費上昇分や消費増税分の円滑な転嫁など、取引適正化の速やかな実行を求めている。
●格差拡大を容認せず/全労連
全労連は最高額(東京)と最低額(鹿児島)の格差が、昨年の224円から226円に拡大したことについて「決して容認できない」と批判した。
その上で、今後本格化する各地での最賃審議について、(1)目安を上回る積極的な金額改定(2)特にC・Dランク地方での大幅な引き上げによる地域間格差の縮小――が必要と指摘。昨年の改定では、全国23地方で目安に上乗せする額が答申されたことも紹介した。
全労連として、全国一律最賃制度の確立を目指す来春の取り組みと併せ、積極的な金額改定を迫っていく決意を表明している。
コメントをお書きください