「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    女性執行委員枠に8人を承認/新聞労連定期大会/セクハラなどの課題解決図る

     全国の新聞、関連会社の労組でつくる新聞労連は7月24、25の両日、都内で定期大会を開いた。1月の臨時大会で創設した「特別執行委員(女性枠)」に新たに8人が応じ、承認された。新聞業界で働く女性の比率が増える中、女性役員を大幅に増やすことにより、育児・介護と仕事の両立、セクシャルハラスメント問題など喫緊の課題解決に取り組む体制を敷く。

     新執行部には南彰委員長(朝日新聞労組)が再任され、伊藤明弘書記長(関西新聞合同ユニオン)が新たに選出された。

     方針によると、業界で働く女性は2割を超え、新規採用は5割に迫るとし、女性が直面する課題の解決は労組の喫緊の課題となっている。1月の臨時大会では、これまでほぼ男性ばかりで構成されていた中央執行委員会の体制を改め、同等の権利がある女性枠を創設する規約改正を行った。8人が応募したことで目標の「3割」を達成した。

     昨年5月には当時の財務省事務次官による女性記者へのセクハラが発覚。今も女性が取材先や取引先から被害に遭う事例が後をたたないという。

     南委員長は「女性枠創設の原動力となったのが、昨年12月に提出された組合員有志の署名だった。100人以上が賛同し、意思決定に女性が加われるよう求める内容だった。中には、自分がいつまでこの業界で働き続けられるか、という声もあった。全国の組合員が制度創設に理解を深め取り組むことで、男性も女性も幅広い人が参加しやすい組合活動にしていきたい」と意義を語った。

     日本マスコミ文化情報会議(MIC)、日放労、連合、全労連、全労協があいさつ。官邸の会見で質問封じに遭っていた、東京新聞の望月衣塑子記者が連帯のメッセージを述べた。