「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    労働者保護策、一層の拡充を/MICが声明/「雇用類似の働き方」中間整理で

     日本マスコミ文化情報労組会議(MIC、南彰議長)は7月22日、厚生労働省の「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会」がまとめた中間整理に対して声明を発表した。労働者保護策の検討に入るとした点を評価し、フリーランサーらに対するセーフティーネットの拡充を求めているのが特徴だ。

     MIC傘下には、ミュージシャンや編集者・フリーライター、IT技術者などフリーランサー的な働き方をしている当事者がおり、仕事を続ける上で保護策は切実な問題となっていた。

     中間整理はこうした労働者を対象に「保護策の検討」に入ることとし、特に(1)仕事による負傷や疾病への支援(2)ハラスメント対策――については、専門家などによる検討をうたった。この点についてMIC声明は「望ましいルール・制度づくりへの出発点といえる」と評価した。

     負傷・疾病に関しては労働政策審議会に舞台を移して、建設業の一人親方と同様の「労災保険特別加入」制度の適用などが検討される見通しだが、声明は通常の労働者と同じ労災保険が適用されるよう、対象範囲の拡大も併せて検討すべきとした。

     ハラスメント対策については、ILOの国際条約を踏まえて「フリーランス保護を明確にすること」を求めている。

     

    ●労働者性拡大の検討を

     

     一方、中間整理は失業や私傷病、出産・育児・介護の支援といった課題を後回しにしており、MICは不満を表明。労働基準法の適用に向けた労働者性の拡大の問題も先送りされた。MICは「政府・厚生労働省の責任で労働者性を検討する場を設け、速やかに検討に入ることを強く求めたい」と訴えている。