国連で核兵器禁止条約が採択されて2年。日本政府に対し、その署名・批准を求める意見書の採択が406自治体に広がっていることが分かった。7月16日現在で原水爆禁止日本協議会(日本原水協)が発表した(次ページに図)。
日本原水協の前川史郎常任理事は「特筆すべきは岩手。意見書を採択した自治体議会は97%で、残すところ大船渡市のみ」という。
岩手県で意見書採択の運動を進めているのは「ヒバクシャ国際署名をすすめる岩手の会」。岩手生協連や平和環境岩手県労組センター、岩手県原爆被害者団体協議会、岩手原水協など幅広い団体が参加している。条約採択直後から運動を開始。地方議会の関連委員会で被爆者が参考人として被爆体験と核兵器廃絶への思いを陳述するなど、被爆者とともに運動を進めているのが特徴だ。
●さらに運動を強める
採択された意見書の中には、非核三原則堅持と核兵器持ち込み疑惑の解明に言及したものや、署名・批准を求めた上で「それまではオブザーバーとして締約国会合及び検討会会合に参加すること」を明記した意見書もある。
前川常任理事は「全会一致で採択された自治体が少なくない。私たちが平和行進で60年間、自治体を訪問してきた影響も大きいのではないか」と指摘。一方、全国で23%にとどまっている状況を広島、長崎で開かれる世界大会を契機に前進させたいと語っている。
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