京都放送労働組合がこのほど、69歳の派遣社員の雇用延長を実現した。7月31日で「3年期限」が切れた後も働き続けられることになった。当該の労働者は「まさか70歳を過ぎても働けるとは思っていなかった。組合への相談が今回の雇用延長につながり、ありがたい」と語っている。
この男性は放送会館の設備を担当している。「7月末に契約期間が切れるが、引き続き働きたい」と考えていた。今年1月、組合に加入。6月の労使交渉でこの問題を話し合った。
組合は(1)京都放送が直接雇用する(2)70歳以降も派遣契約を延長する――の二つの選択肢を提示し、会社側に決断を迫った。会社側は「会社にとって放送会館設備は重要で、必要な人だから残ってほしい。契約は派遣で」と回答。労使で雇用延長の協定を結ぶことができたという。
派遣労働者については、3年期限が切れた後、派遣会社には(1)派遣先への直接雇用の依頼(2)新たな派遣先の提供(3)派遣元での派遣労働者以外の無期雇用(4)その他雇用の安定を図る措置――といった努力義務が課せられている。ただし、60歳を超えている場合は適用除外で、3年契約を再度結ぶことができる。
●非正規組織率60%に
組合はこれまで、派遣労働者を含む非正規労働者を組合に迎え入れ、雇用確保や労働条件向上に努めてきた。2014年度は12人、15年度は18人、16年度は19人、17年度は23人が加入している。18年度は現時点で18人となっている。非正規の組織率は60%である。
組合は毎月の執行委員会で未加入者への声掛け担当を決めて、ニュースを手渡すなどして「雇用や労働条件のために一緒に頑張ろう」と呼び掛けてきたという。
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