建設業者の中野健太郎さん(配管設備)がマイナスドライバーなどの所持を理由に、東京の中野警察署で不当な取り調べを受けた際(6月4日付で既報)、警察官から建設業者への暴言だけでなく、障害者を見下す発言もあったという。中野さんがこのほど明らかにした。パラリンピックを準備している東京都の警察職員としてあるまじき言動だと憤っている。
中野さんはかつて左ひざを負傷し、労災障害認定を受けている。中野署では、全国犯罪者データベースの撮影室で転んで左ひざを痛めた。にもかかわらず担当巡査部長は写真を撮るために左ひざの靭帯(じんたい)を無理に伸ばし、痛がる中野さんにこう言い放ったという。
「障害者のくせに工事業者なんかしてるんじゃねえよ。これだから障害者は迷惑なんだよ」
撮影後、痛くてゆっくり階段を上っていると「おい障害者、さっさと上がれ」と追い討ちをかけた。
●都の方針に逆行
都は2008年、「首都TOKYO障害者就労支援行動宣言」を策定。毎年、事業計画に基き就労支援を行ってきた。昨年3月にはパラリンピック開催も踏まえて新たな3カ年計画をつくり、共生社会実現などの施策を掲げた。こうしたことを知った中野さんは同部長について、都の警察職員の言動として放置すべきではないと考えた。
「東京土建の組合員の中にも労災で手足が不自由になりながら、現場で一生懸命働いている人たちがいる。仲間のためにも、警察職員が率先して侮辱的発言をして障害者を見下している態度は許せない」
この巡査部長は、中野さんに対し「建設業者はろくなもんじゃない、クソだ」などの暴言も吐いていた。
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