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    副業・兼業の促進を疑問視/全労働/規制改革第5次答申に見解

     労働基準監督署や職業安定所(ハローワーク)などの職員でつくる全労働省労組は6月18日、政府の「規制改革推進に関する第5次答申」について見解を発表した。働き方に関連した副業・兼業の促進策などの内容については問題が多いと指摘している。

     現在、労働者が副業・兼業を行う場合、本業の企業は副業・兼業先企業での労働時間を把握し通算することになっている。答申は本業の使用者が他社での労働時間把握を行うのは困難が伴うとし、こうしたルールの見直しを求めている。

     全労働は、通算した労働時間の把握は過重労働を防ぐために不可欠だと指摘。「業務面でも副業・兼業によって労働者に疲労が蓄積するようなら、本業での能力発揮が困難になることを見逃すべきではない」と批判した。

     副業・兼業を促進する前に「本業だけでは生活できない事態そのものを改善し、本業で生活できる良質な雇用を広げることが優先されるべき」というのが全労働のスタンスだ。

     答申が日雇い派遣による副業の促進(要件の緩和)を主張している点については「現行制度の弊害が除去されたとは言いがたく、要件緩和には慎重であるべきだ」という。

     自宅作業などのテレワーク促進策(深夜労働を禁止した厚生労働省ガイドラインの見直し)についても問題視。「テレワークによる過重労働を助長する見直しはすべきでない」との見解を表明している。