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    全国一律最賃で格差の是正を/東京地評傘下の労組などが集会

     東京地評傘下の労組などでつくる実行委員会が6月22日、格差と貧困の是正に向けて全国一律最賃制の実現を訴える集会を都内で開いた。学者や弁護士、労組役員、養護教諭、政党関係者などがそれぞれの立場から実現の必要性を述べ、150人の参加者は熱心に聞き入っていた。

     米国経済を研究する萩原伸次郎横浜国立大学名誉教授は、来年の米大統領選挙では、富裕層・大企業への課税強化と併せて、全国一律に適用される連邦最低賃金(7・25ドル)の大幅引き上げが焦点になると指摘。

     日本弁護士連合会貧困問題対策部の中村和雄弁護士は「最賃引き上げが世界のトレンドになっている。2015年に最賃制を導入したドイツでは、現在の若者が将来どのくらいの年金が必要かを試算して最賃を引き上げている」と述べ、中長期的な視野での最賃の水準論議が必要だと語った。

     都内の公立中学校で働く養護教諭は子どもの貧困が注目され始めた約10年ほど前と比べ、貧困の実態は「むしろひどくなっている」と指摘。世帯の稼ぎ手の母親がダブルワークをしても、衣服を満足に買えず子どもが不登校に追い込まれるなどの実例を紹介しながら「最賃で全てが解決するわけではないが、経済的困窮が子どもの人格形成やチャンスを奪っている」と告発した。

     最賃や初任給などの底上げに取り組む労組メンバーらも発言。全国一律最賃制を掲げる自民党議連事務局長の務台俊介衆院議員がメッセージを寄せた。