梅雨空に「最低賃金1500円、上げろ!上げろ!」「中小企業に税金回せ」のコールが、ドラムのリズムとともに響いた。6月23日、最低賃金引き上げや貧困・格差の是正を求める団体、エキタス(AEQUITAS)が東京のJR新宿駅周辺でデモを行い、300人が参加した。
●声援や反応多く
海外からの旅行客や若者でごった返すなかデモが近づくと、中学生5人は「デモやー、初めて見た!」とリズムに乗って手を振る。スマホで撮影していた18歳の女性は「政治に関心はないけど、すごいなと思って(写真を撮った)」。沿道から友だち3人と「賃金上げろ!」と声を上げていたのは社会人2年目の20代男性。「詳しいことはよく分からないけど給料を上げてほしい」。声援や反応の多さで沿道とデモが一体になる場面もあった。
沿道の少し離れたところにいた52歳の男性は「怒りが伝わってくる。静かな日本で声を上げる真剣さにパワーを感じる」と興奮気味に話した。
参加者の年代もさまざま。今年から法律事務所で働き始めた24歳の女性は「栃木県出身。給料のことに関心があってツイッターを見て参加しました。(スーパーなどで)同じ仕事をしているのに、地域が違うだけで賃金が違うのはおかしい。最賃が全国一律なら、いろんな土地で働けるからいい」と話す。
九州地方に住む60代の女性は「たまたま東京に来ていて、デモを知り参加しました。息子(27歳)は結婚しても共働きでないと暮らしていけないほど低賃金で、びっくり。社会保険料など天引きされる金額が多く、手取りはさらに少ない」と怒りを込めた。
●行動が政治を動かす
エキタスの齋藤道明さんは「2015年の結成から、最低賃金引き上げを訴えてきた。今では自民党議連も全国一律を議論している。路上で始めた(エキタスの)行動が政治を動かしてきた。意見の違う人たちにも関心をもってもらえるようにアピールしていく。夏の参議院選挙では各政党の最賃公約をチェックしてほしい」と話した。
〈写真〉エキタスのデモにチーズアイスを食べながら声援を送る女性たち。沿道からスマホで動画や写真を撮る人たちも目立った(6月23日、都内)
〈写真〉デモには若い女性も多く参加していた
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