「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    全国一律制確立をアピール/最賃制度で生協労連/「ダブルワークから抜け出せず」

     全国の生協の労組でつくる生協労連は6月20日、厚生労働省内で記者会見を開き、全国一律最低賃金制の確立をアピールした。最賃の低い地方で働く当事者らがダブルワークを余儀なくされる実情を語った。

     生協労連は、各地の事業所の時給でコープ商品がどれだけ買えるかを比較する資料を作成。コープ商品の小売価格は全国どこでもほぼ同じ水準だが、最賃の影響を強く受ける非正規労働者の賃金には大きな格差が生じており、その矛盾を解説している。

     「朝ごはん編」では、採用時給で何が食べられるかを検討した。神奈川県を中心に事業を展開するユーコープ(1025円)では、食パンとジュース、マーガリン、ウインナーに加えて、スイートコーンやエビグラタン、ヨーグルトのデザートまでつけられる。一方、最賃が全国で最も低い、コープ生協かごしま(764円)ではパンとジュース、ウインナーしか食べられない(表)。

     柳恵美子委員長は「同じ価格の物を売り、同じ仕事をしていても時給が200円以上違う。年収にすれば40万円もの差がある」と訴え、最賃を今すぐ千円以上とし、1500円を目指して全国一律制の確立をと強調した。

     

    ●一家で都会に流出

     

     会見では最賃に近い水準で働く当事者らが訴えた。

     福岡のエフコープで働く女性は、同僚がダブルワークを始めたが、半年もせず体調を崩したと述べ、「首都圏の時給ならばダブルワークをせずに済んだ。一カ所で暮らせる賃金を」と訴えた。コープえひめで働くパートの女性も自身がコンビニエンスストアで最賃水準でダブルワークをしていたと述べ、「昼も夜も働く人は年齢が高く、世帯主が多い。地元は賃金が低く、東京に就職した子どもの家に移り住む人もいる。このままでは人口流出がどんどん進む」と話していた。