地域別最低賃金の金額(目安)審議や夏の参院選を控え、最賃の大幅引き上げを求める世論と運動を広げようと6月6日、さまざまな労働組合が集まって、国会内で集会を開いた。参加者は「全国一律で時給1500円実現を迫るチャンスだ」と訴えた。
主催は、下町ユニオンや郵政産業労働者ユニオン、全国一般全国協などでつくる「最低賃金大幅引き上げキャンペーン委員会」。
同委員会事務局の河添誠さんは数年前までは実現困難と思われていた1500円について、共感が集まり始めていることや、参院選に向けた野党4党1会派の共通政策に盛り込まれたことを紹介。
「今、全国一律で1500円に近づける運動が求められている」と述べた。全国一律制は世界の大勢だとし「地域別なのは日本とカナダ、中国、インドネシアの4カ国だけ。日本以外は国土の広い国ばかりであり、日本が地域別にしている必要はない」と強調した。
同委員会は参院選に際して各党に対し(1)1500円(2)全国一律(3)中小零細企業への支援策(4)最賃引き上げの手法(5)党の最賃政策――についてアンケートを行い、公表する予定だ。
●格差とデフレの処方箋
あいさつした立憲民主党の初鹿明博衆院議員は「地域の人手不足の一番の原因は賃金格差だ。外国人を増やしても都市部に集中してしまい、低賃金が固定化するだけ。時給千円未満では、まともに生活ができない。労働者を安く使い倒す企業と、それを後押しする政府の姿勢を改めさせよう」と訴えた。
日本共産党の大門実紀史参院議員は「デフレを打開するには賃金を上げるしかない。最賃アップは政治主導でやれる。米国やフランスで成功したように、中小企業に対して大胆な支援を一気に行うことが必要だ」と述べた。
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