連合は5月31日、最低賃金のあるべき水準を検討する場の設置や、海外の実態調査を行うよう厚生労働省に要請した。特定最賃については当該の産業労使が改定・新設の必要性を決める運営とするよう指導を求めている。
要請は改定審議前のこの時期に毎年行っている。
今年は、中央最低賃金審議会に「今後の最低賃金のあり方に関する検討の場」の設置と、公益・労使の三者による国内・海外の実態調査を要請項目に加えた。連合総合労働局によると、制度の見直しではなく、運用の見直しを想定している。最賃のあるべき水準について、改定審議の短期間での労使の駆け引きで行うのではなく、ある程度長い期間での検討を中賃で行うよう求めている。
最賃の適用について就労実態を踏まえて判断することも要請した。特に近年、業務請負で働くシルバー人材センターで、労働者と同じように働いている実態が報告されており、そうした事例を念頭に置いているという。
特定最賃については、当該産業労使の意思を反映する審議会運営と指導を求めた。改定・新設の必要性を決める際、公益・労使委員の全会一致が必要で、近年は当該産業と関係のない使用者側委員が強硬に反対する事案が続出。当該産業の労使の代表が意思決定に参画できる審議会運営を求めている。
●C、D県の底上げを
地域別最賃については最賃法の目的から見て「十分な水準とはいえない」と指摘。最大で時給224円の地域間格差に触れ「深刻な人手不足を背景に、地域別最賃の地域間格差が隣県や都市部への働き手流出の一因となっており、とりわけC、Dランクの底上げが喫緊の課題だ」としている。
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