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    地域社員の賃金表を大幅改定/JR九州労組/月額30万円超の基本給も

     JR九州労組は19春闘で地域社員の賃金表を大幅に改定することで労使合意した。一般職で約1~3万円、昇格の試験に合格した社員で1万5000~7万円もの引き上げになる。JR連合は「貴重な戦力となっている地域社員の確保と定着を図る必要があるということで労使の考えが一致したため」という。

     

    ●貴重な戦力の定着へ

     

     地域社員は約1300人おり、みどりの窓口や事務職に就いている。転勤がない限定社員で、9割以上が女性だ。入社5年までは一般職(旧パートナー社員)の賃金表が適用され、試験に合格すると別の賃金表(旧エキスパート・パートナー社員)が適用される仕組み。2016年には無期雇用化を実現している。

     これまでも、一時金支給を5年以上の勤続から社員と同月数にしたほか、退職慰労金制度や社員採用制度の導入などを進めてきた。 勤続10年で頭打ちだった賃金表についても、試験合格を条件に30年まで延長し、別の賃金表を適用することにした(2010年)。「試験といっても落とすのが目的ではない。実際、不合格になった人はいない」(JR連合の北村公次労働政策部長)という。

     とはいえ、採用難は相変わらず。数年で転職していく流れも続いていた。

     19春闘で労組は、賃金表の抜本改定を求め、3月15日に労使合意した。初任給(一般職1号俸)を約8千円、10号俸で約2万8千円引き上げた。試験合格後のE3級‐1号俸では約1万5千円、ESS級‐15号俸で約7万円のアップだ。

     北村部長は「改定の結果、月額30万円を超える人も出てきた。現場からは『受験生の子どもを塾に通わせることができます』など喜びの声が届いている」と語っている。