連合は5月23日、2019春季生活闘争の中間まとめを提案した。約4分の3の組合が妥結した5月時点の賃上げ獲得率が昨年同時期と同水準だったことを捉え、「賃上げの流れは力強く継続している」と評価。6月下旬に予定されている「賃金水準検討プロジェクトチーム(賃金PT)」の答申を踏まえ、来年以降の闘争のあり方について検討を深める。
中間まとめは、特に100人未満の組合の賃金改善額の平均が昨年同期を上回っていることに触れ、「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動が定着・前進したものと受け止める」と指摘した。人手不足が後押ししたとの認識も示し「人への投資の重要性について従来以上に労使の認識が深まった」と述べている。
今年強調された、「上げ幅のみならず水準」を追求する取り組み課題については「認識がより高まった」と評価。一方で、賃金実態の把握・分析のための必要な体制を組めず取り組めなかった組合があったとし、中小組合への支援体制の構築が必要としている。
今後の検討課題として、賃金PTの答申を踏まえ①情報収集・開示の強化と共闘の体制・行動②中小組合へのサポート③社会横断的な賃金水準④セーフティーネットとしての最低賃金――について議論していくという。
同日の会見で、物価上昇分が確保されていない点を問われ、神津里季生会長は「世の中全体がまだまだ持ち上がっていない。今後の改革に絡むことだが、(ベアゼロが続き)20年間遅れをとってきたところにどう波及させるか。要求が正当でも、結果がついてこないという事態を変えなければならない」と応じた。
中間まとめは6月6日の中央委員会で確認する。
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