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    賃上げの流れが維持・上向きへ/春闘5月連休明け回答集計

     2019春闘が終盤を迎えつつある。5月連休明け段階の回答集計で連合は100人未満の組合が初回集計以降に前年同期を上回り続けるなど「賃上げの流れは力強く維持されている」と強調している。全労連など国民春闘共闘委員会は回答平均が上昇しており、粘り強い交渉を展開している。

     連合は8日現在、妥結に至った組合は7割、ベアなど賃金改善を獲得した組合が昨年並みの4割強。注目される中小組合の回答動向では、300人未満がほぼ昨年並みの4925円(1・99%)で、2%を割った。一方、100人未満は前年同期比117円増(プラス0・02ポイント)の4396円(1・9%)で、初回集計から一貫して前年同期を上回っている。

     神津里季生会長は8日の集計に先立つ4月末のメーデー中央大会で「ストライキを行っているとの報告もある。今世紀最大の上げ幅。世の中全体に波及させたい」と地場組合の粘り強い取り組みを評価。10日の政策制度討論集会(都内)では「水準をより重視する新しいうねりをつくり出している」と語った。

     

    ●上積みなど粘り腰で

     

     春闘共闘は10日段階の集計を発表した。有額回答を引き出した294組合の回答は、単純平均で昨年同期比微減の5439円(1・98%)、加重平均は6001円(2・03%)。昨年同一組合の比較ではマイナス122円(同率)となっている。

     賃上げ率は集計回数を重ねるごとに上昇し、回答額は3回目以降徐々に上がっている。2次回答以上の上積み回答を引き出したのは80組合。中小組合が主体の全国一般や、港湾関係の労組の集約が遅れているという。